内視鏡治療(消化管)

 当院では、胃カメラや大腸カメラを用いて行う治療(内視鏡治療)を行っています。
 消化器内視鏡の専門の医師、及び内視鏡検査技師資格を有する看護師を中心に診療しています。
 24時間いつでも、吐血(潰瘍、食道静脈りゅうによる)や下血、異物誤飲等に対する緊急内視鏡治療ができるよう、心がけています。また、内視鏡的粘膜下層剥離術などの高度な内視鏡治療も受けることが可能です。
 具体的には、
 1:消化管出血や異物誤飲等に対する緊急内視鏡治療、2:大きな早期食道がん、胃がん、大腸がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、3:胃腸のポリープに対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)や、小さなポリープに対して日帰りでのポリープ切除、4:進行癌の消化管狭窄に対する、金属ステント拡張術 5:経皮内視鏡的胃ろう造設術 等を行っております。

1:緊急内視鏡検査:内視鏡的止血術/内視鏡的異物除去術

 吐血(血を吐く)や下血(お尻から血が出る)といった症状の患者さんに対し、緊急で内視鏡検査を行い、原因疾患に応じた止血術を行います(EVL/EISを含む)。
 出血の原因としては主に胃十二指腸潰瘍や悪性腫瘍、食道静脈りゅう、大腸憩室、直腸潰瘍などがあります。
 電池や魚骨、入れ歯などの誤飲物を内視鏡的に取り除くことも行っています。診療内容

2:内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

 従来では外科的切除でした取り除けなかった、大きな早期の食道がん、胃癌、大腸癌を内視鏡的に切除する新しい治療法です。
 病変の下の層(粘膜下層)を高周波電気メスを用いて剥離し、病変を取り除きます。
 難易度が高く、熟練した技術が必要であり治療時間も長くなりますが、外科手術と違い、お腹を開けずに胃や腸を温存して病変を治療できる利点があります。
内視鏡的消化管ステント留置術

3:日帰り大腸ポリープ切除術(コールドポリペクトミー)/内視鏡的粘膜切除術(EMR)

 コールドポリペクトミーとは小さな良性の大腸ポリープを、電気で焼かずに切除する治療法です。
 専用のループ状のワイヤ(スネア)を用いて、周辺粘膜ごとポリープを切除します。この治療法は日帰り手術が可能で、一回の検査で容易に大腸内の全てのポリープを切除することができます。
 内視鏡的粘膜切除術(EMR)とはコールドポリペクトミーで切除できない大きさや悪性が疑われるポリープに対し、病変部にスネアを引っ掛けて、絞りながら高周波電流を流し、ポリープを焼き切ります。
 数日間(1泊〜2泊)の入院が必要です。
日帰り大腸ポリープ切除術

4:内視鏡的消化管ステント留置術

 当院では進行がんによる消化管(食道、胃、十二指腸、大腸)の狭窄(狭くなる)による症状の緩和のため、適応がありましたら、内視鏡的に狭窄部に金属ステントを留置することがあります。
 金属ステントは柔らかく自然に広がり、病変部の狭窄を改善して患者さんの狭窄症状が緩和されます。
内視鏡的消化管ステント留置術

5:経皮内視鏡的胃ろう造設術

 胃ろうとは、お腹から胃に直接栄養を流し込むための穴のことを言います。実際には穴にはチューブを通して、そこから栄養を流します。
 当院では食事が長期に食べれない方、食べるとむせて誤嚥(肺に食事が入る)する方に対し、嚥下評価や嚥下造影を行い、経口摂取困難と確実に判断された方に、必要に応じて内視鏡下に胃ろうを造設しています。
 点滴の痛み止めと、局所麻酔下で治療します。小さな穴を開ける治療ですので、治療時間は10分から15分程度と短く、比較的患者さんへの身体的負担が少なくて済みます。

内視鏡治療(すい・胆道)

 当院では、複数の常勤医がすい・胆道内視鏡治療を行っています。緊急での対応も行っています。
 内視鏡的胆管・すい管造影(ERCP)の検査の結果、胆管結石や胆管の狭窄などが認められれば、下記のような治療を行うことがあります。

内視鏡検査や、内視鏡の検査実績は各ページからご覧ください。

内視鏡的乳頭切開術(EST)

 胆管・すい管の出口である乳頭部を電気メスで切開します。その結果、胆道に処置具を挿入し結石を取り除いたり、閉塞している所にステントを留置します。 内視鏡的乳頭切開術(EST)

内視鏡的結石除去術/内視鏡的結石破砕術

 胆管の結石を乳頭部から採石用バスケットや採石用バルーンを挿入して結石を取り除きます。大きな結石の場合は砕石(石を砕く)用のバスケットで結石を砕き、小さくして取り除きます。内視鏡的結石除去術/内視鏡的結石破砕術

内視鏡的胆管ステント留置術

 胆管の狭い所にプラスチックや金属製のチューブ(ステント)を挿入して、胆汁の流れをよくし、黄疸や炎症を改善させます。 内視鏡的胆管ステント留置術