循環器科

診療内容

 循環器内科とは、心臓疾患や血管病変を扱う診療科です。
 当院では高血圧、心不全、不整脈、に対する検査、治療を行なっています。また、狭心症や心筋梗塞の検査である、冠動脈CT検査も行っています。
(虚血性心疾患に対する心臓カテーテル検査・治療は行なっておりません)
 心臓疾患や血管病変の診断のため、心電図検査、24時間ホルター心電図検査、24時間血圧計、心臓超音波検査、頸動脈超音波検査、レントゲン、冠動脈CT検査、簡易睡眠時無呼吸検査、採血検査、ABI/PWV(足関節上腕血圧比/脈波伝播速度)等の検査を行い、患者さんの状況に応じた治療方針を決定しています。
 生活指導や薬物療法による治療以外に、必要に応じてペースメーカー挿入術も行っています。

高血圧

循環器科 繰り返し測定した血圧が140/90mmHg以上の場合、高血圧症と診断されます。
 健康診断の結果やご自身で血圧が高いことに気づいて来院される方が大半です。
 高血圧症には本態性高血圧(90%)と二次性高血圧(10%)があります。本態性高血圧は生活習慣の乱れ、加齢、遺伝的要因が関連して発症しますが、二次性高血圧は明らかな原因があって二次的に生じる高血圧症です。高血圧症の状態を放っておくと、動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中、腎不全などの臓器障害を生じます。
 当院では主に本態性高血圧の治療を行なっています。
 必要であれば採血によるホルモン検査、各種検査による24時間の血圧の変化、動脈硬化の進行度、高血圧の合併症の有無等を評価し、その検査結果をふまえ、患者さんの病態に合わせた治療を行っています。

心不全

 足のむくみや息切れ、呼吸苦のために来院される方が多い疾患です。急激に呼吸苦が強まり、救急車で来院される患者さんもいます。
 心臓の血液を送り出すポンプ機能が低下したり、拡張能が低下(広がりにくくなる)して生じます。原因は不整脈、高血圧、心筋症、虚血性心疾患、弁膜症など様々です。
 採血や画像検査、心臓超音波検査、心電図検査等を行い、心不全の原因に応じた治療を行います。
 虚血性心疾患の関与が疑われる場合は、速やかに心臓カテーテル検査が可能な病院にご紹介させて頂いています。また、弁膜症などにより、外科的治療が必要な場合でも、心不全を改善させたのちに、大学病院などの対応可能な病院に速やかにご紹介させて頂いています。 心不全

不整脈

循環器科 頻脈性不整脈では動悸を伴い、徐脈性不整脈では失神、めまいなどの症状を伴うことがあります。必要であれば、24時間の心電図検査を行って診断します。
 症状を伴わないこともありますが、不整脈の種類によっては無症状でも治療が必要な場合もあります。(心房細動等)
 カテーテルアブレーション等の専門的治療が必要な場合は、大学病院などの対応可能な専門病院に速やかにご紹介させて頂いています。

冠動脈CT検査について

 当院ではキャノンメディカル社製80列CT(Aquilion Prime SP )を導入しており、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)に対する検査である冠動脈CTを行なっています。
 冠動脈とは心臓に血液を供給する血管ですが、狭くなると十分な血液が送れなくなり、狭心症や心筋梗塞になる場合があります。
 従来は、冠動脈を直接評価するためには、手首や鼠径部から動脈にカテーテル(細い管)を入れて、冠動脈を造影する検査しかありませんでした。(心臓カテーテル検査)
 しかし、心臓カテーテル検査は入院の必要があり、合併症の問題もあるため、気軽に行える検査ではありません。

 近年、CTの高性能化に伴い、CT検査で冠動脈の走行や狭窄を評価できるようになりました。
 手の静脈から造影剤を静脈内に注射してCTを撮影し、冠動脈の狭窄の有無を調べる検査で、冠動脈CTと呼ばれます。
 30分ほどで検査も終了し、患者さんの身体的負担や合併症の頻度も少なく、入院不要で外来で検査可能です。また、高い陰性的中率(NPV:約98%)を有しています。

 高血圧や脂質異常、糖尿病や肥満、睡眠時無呼吸症候群などを有する、冠動脈疾患のハイリスク患者さんや、労作時に前胸部症状のある方、心電図異常が見られる方が良い適応です。
 しかし、患者さんの状況によっては検査のできないこともありますので、検査をご希望の方は、まずは外来を受診していただき、担当医とご相談ください。

(当院では冠動脈CTは毎週金曜日行なっています。予約制です。当日の検査はできませんのでご注意ください。)

心不全