11月30日の大分合同新聞夕刊にて、聖陵花月クリニックの禁煙外来を体験された方の記事が掲載されましたので紹介します。
平成22年8月2日、日田市三和の聖陵花月クリニックを訪れた。10項目の質問で、ニコチン依存度を判定。喫煙の程度を測るため、呼気中の一酸化炭素濃度(ppm)を測定。非喫煙者は10ppm以下、私はヘビースモーカーの58ppmだった。「完全なニコチン依存症です。将来はこうなりますよ」。井原院長が真っ黒な肺の写真を指さした。私は「禁煙宣言書」にサインをして成功を誓った。処方されるのは禁煙補助薬「チャンピックス錠」。成功率は7割近くあり、保険が適用される。5回の通院で診察後に薬をもらい、6回目で合否を確認する。井原院長が、我慢できない時の対処法を教えてくれ、最後に強調した。「節煙は無意味です。『1本だけ』は絶対駄目ですよ」。 薬を飲み、我慢できない時は電子タバコを吸った。しかし、10日目で限界がきた。「吸いてーーー!」口は寂しく、心はいらいら。起床後と食後、飲酒後が特に落ち着かず、電子タバコの効果も薄れていった。 挫折は、20日目の飲み会だった。「1本ならいいやん」。友人の誘惑に2人の自分が出現した。「吸っちゃいなよ」。「絶対だめ」。出した答えは「じゃあ1本だけ」。大きく吸い込み久々の味を満喫するはずが・・・。「あれ!?マズい」。 3日後の診察で、薬が喫煙の満足感を抑えたことを知った。「それなら吸わんでいいや」。自信を得て禁煙を再開した。井原院長の指摘で喫煙の習慣が残る電子タバコは禁止。代わりに市販の禁煙あめと、ガムを口に入れた。10月にタバコが値上げ。禁煙ブームで薬が不足し、新規患者の受け入れは停止。私の病院は30人が予約待ちだった。「早めに始めて良かった」。 10月18日の診察は、一酸化炭素濃度が2ppm。順調だが通院の間隔が空き注意された。禁煙にも慣れた11月のある朝、体の異変に気付いた。「ズボンがきつい・・・」。井原院長に指摘された。「禁煙で太る人は多いんです。ガムやあめのカロリーに注意して」。タバコをやめて食事が美味しくなり、食欲が増した。 「ダイエットもするか」。対策であめを控えガム1粒を1時間以上噛んだ。家では氷をなめた。いよいよ11月29日に最後の通院。「おめでとう。成功です」。井原院長が握手をしてくれて卒業した。払った診察料と薬剤費の合計は、1万8260円。通院中に吸い続けていたとしたらタバコ代は4万5千円近かった。 タバコのない生活は、身体的にも金銭的にもメリットばかり。禁煙外来は来年1月に新規患者の受け入れが再開の予定。迷っている皆さん。今しかないですよ。 大分合同新聞 日田支社 加納慶
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